今回はマニアックなところで「うしろに立つ少女(前編)」の、ちらしやカードケースのイラストに付いてのお話です。
「(前編)」とありますところからご理解頂けると存じますが、ディスク版の「(前編)」のイラストについて言及します。
NP版などからプレイされて、ディスク版のイラストをご存じない方、あるいはそのイラストをお忘れの方は、任天堂サイト内にあります、以下のページをご参照下さい。
http://www.nintendo.co.jp/n02/shvc/btcj/koukoku.html(別ウインドウで開きます)
こちらにあります、1989年第二作「うしろに立つ少女」の、このイラスト。
今回の話のネタはこれです。
そのイラストの大部分は、青の色調で統一されています。
校舎と校門を背景にして、探偵くんは厳しい表情でこちらを見つめています。
あゆみちゃんは形容しがたい表情でこちらを振り返り、空木先生は腕組みするような形でこちらをじっと見ています。
そして中央右上よりに「うしろの少女」らしきシルエットが立っていて、その足元から長く伸びる影が青い色調をすっぱりと鋭く切り取っています。
この「少女」の影によって切り取られた部分だけに、色が存在します。
百聞は一見に如かずと言いますし、既に皆さんが目で御覧になっているものを改めて文で表現するのはいささか間抜けではありますが。
さて、このイラスト、くどいようですが大部分が青系統で統一されています。
やや鈍い青の濃淡だけで描かれていると言って良いでしょう。
そして、この青が「少女の影」で切り取られた部分にのみ、色が覗きます。
青でない部分に付いているのは、ごく普通の色です。
肌の色は肌の色らしく、髪の色も髪の色らしい色がついています。
これが意味するところの、この「青」の意味は何でしょう。
私は、この青と、すっぱり切り取られた線が意味するものは、ガラスだと考えます。
一部分が割れてしまったガラスです。
「うしろに立つ少女」においてガラス、それも割れたガラスが意味するのは、何でしょう。
他でもない鏡だとは考えられないでしょうか?
もちろんマジックミラーでもない限り、このように鏡の裏から鏡の向こう側が覗けることはありません。
しかしながら、割れるガラス、というのはこの作品においては完全に一つの暗示になっていると感じるのであります。
この「うしろ」のイラストは、ものすごく凝っている構図です。
もし手元にディスク版の取扱説明書をお持ちの方は、そちらを見て頂けますとより「ガラスチック」なのがおわかり頂けるかと存じます。
しかしながら、探偵くんが厳しい表情で見つめるガラスの割れ目のこちら側。
そこにはやはり「例のもの」があるのでしょうか。
だとすると、「例のもの」は我々のうしろにいるってことに‥‥‥?
追記:
「うしろに立つ少女」のちらし(ケース)のイラストは他の二作と違いまして、アニメ調になっております。
これは舞台が時代の流れから取り残されたような山村ではなく、都市の一部に位置する学校であるという舞台設定。
また、実際のゲームグラフィックとギャップが少ないこと。
さらに比較的低年齢のターゲットにも受け入れやすいようにといった点から、こうした絵柄が選ばれたのではないかと憶測しております。
あとはもう、好みの問題でございましょうね。
余談になりますが、私はこのアニメ調の絵も好きです。