BS探偵倶楽部とは?

そもそもBS探偵倶楽部とは何なのか? 
一体いつの間にそんなものが出ていたのか? 

そんな疑問をお持ちの方は結構いらっしゃるのではないかと思います。 
そこで今回は、ストーリー本体にはほとんど触れないBS探偵倶楽部の説明です。


BS探偵倶楽部(以下BS探)は「ファミコン探偵倶楽部」シリーズの続編ないし外伝的なものとしてサテラビューで放送された作品です。 

サテラビューはBS5、St.GIGAのデジタル放送を使用して、無料でスーパーファミコンにゲームデータを受信できるシステムになっていました。 
  

BS探の本放送は97年2月8日から始まり、前・中・後編が各1章ずつ、計3週にわたって放送されました。毎日午後6時から1時間、日曜から金曜まで同じ内容が放送されていたと思います。 
その後も数度に渡って再放送されています。 
  

BS探はサテラビューの中の『音声連動(サウンドリンク)』ゲームとして放送されました。 
サウンドリンクゲームというのはサテラビュー独自の、かついちばんの売りとなったゲームシステムです。 

大雑把な説明になりますが、まずゲーム本体のデータを受信します。ゲーム本体に、音楽並び音声は含まれません。音楽と音声はBS5の独立音声であるSt.GIGAの無料放送枠で流されます。 
(そのためサテラビュー本体をお持ちでない方でも、衛星放送が見られる環境にあれば、このゲームの音声だけは聞くことが可能でした)
ゲームの開始時間になると、最初に時刻合わせが行われ、その後ゲームは『音に合わせて』進行します。 

BS探の場合は場面が変わる際などに、音声によるイベントが発生して、強制的にストーリーが進むようになっていました。 
つまり、きちんと話を細部まで知りながら進めるためには、次のイベントが始まるまでに調査すべきことをすべて調べきらないといけないということです。 

どのくらい調べられたかは、各話の最後に『調査指数』として%で表示されました。 
本放送の際には、この調査指数の全国ランキングが表示され、上位の方には  BS探のテレホンカードが贈られたそうです。 
  

BS探の主人公は橘あゆみちゃんです。 
空木探偵事務所からは他に空木先生が登場し、いわゆる『探偵クン』は登場しませんでした。 

ゲームシステムはコマンド選択式からやや変更されて、画面内をクリックしてメッセージを集めていくような方式になっています。 
人物に話を聞く際も、画面上の相手をクリックするという具合です。 
コマンドとして存在したものは、『(人を)呼ぶ』、『(携帯)電話』、『人物(関係図)』やアイテム欄がありました。 
携帯電話にはやはり時代を感じたものです。 
かつての空木事務所には留守電もなかったというのに……。 
  

登場人物のキャストですが、あゆみちゃんは皆口裕子さん、空木先生は速水奨さんが演じられました。 
他にナレーターは故・新山志保さん、BS探の登場人物では鈴木麻理子さん、中尾みち雄さん、江森浩子さん、また、青野武さん、塩屋浩三さんがそれぞれ一役から二役を演じられていました。 
 

スタッフの中で『ファミ探(ディスク版)』からは、音楽監督として山本健誌さん、制作協力として原作者の坂本賀勇さんのお名前がクレジットされています。 
監督並びに脚本は中田雅康さんという方が担当されています。 
この方は、サテラビューのサウンドリンク作品のいくつかを担当されていらっしゃいました。 
  

ストーリーの頭をほんの少しかじりますと、病気療養のため実家に帰省中の母・敏江さんを見舞いに行ったあゆみちゃんが巻き込まれる事件がメインになっています。 

高速道路の開発と、それに伴う林業への影響、そして政治家の汚職。 
また、そこに『落人伝説』という怪談的要素が絡んできます。 
  

さて、このBS探ですが、正直に申し上げて現在プレイするのは非常に困難かと思われます。 

サテラビューによるゲーム配信がすでに中止されてしまったためです。 

サテラビュー版はプレイされていない方も多くいらっしゃるでしょうし、音声は入らなくても、ぜひ何らかの形で発売して欲しい作品ですね。